GXシリーズの頂点
シリーズの崇高な頂点として、GX-7は確かな技術に裏打ちされたクラスを超越した音色で語りかけます。
【響板】弦振動を空気振動、すなわち音にかえる「響板」は、「音色」「音量」「音の伸び」「音のバランス」に大きく影響する、ピアノの心臓部ともいわれる部位です。
音質に大きな影響を及ぼす響板は、比重および音の伝播速度に関する独自の厳格な基準を数値的にクリアし、さらには木を知り尽くしたクラフトマンの感覚的な基準にも適合した材料だけを使用。豊かで重量感のある低音と、明るく伸びのある中高音を実現しています。
【ハイブリッド積層積揚】
グランドピアノには、ピアノ本体の内側で、グランドピアノ独特の外周形状を形成する側板と一体となり支柱やフレームや響板を支える「積揚(つみあげ)」と呼ばれる重要な部位があります。GXシリーズではこの積揚の素材を一から見直し、性質の異なる堅木を混合したハイブリッド積層積揚を導入。異なる材質を組み合わせることによって、強度、響板の固定端強化、音色への影響などを絶妙なバランスに仕上げました。これにより 響板がより効率良く振動し、表現力が一層向上しています。
【ボディ剛性】GXシリーズは、より立体的な響きを生むために、ボディ剛性そのものを向上させました。200本を超える弦から生じる約20トンにも及ぶ弦の張力を支える ピン板の拡大や、左右の側板をつなぐ前框の厚みを大幅に拡大。ボディ剛性と一体感が向上したことで、一音一音の粒立ちがよく、立体感のある響きが生まれて います。また、チューニングピン周りの剛性を上げることで、調律の安定性も格段に向上し、ピアニストの繊細な要求に応える対応力を備えました。加えて、弦の振動し ない一部分に弦枕を敷くことによって中高音の倍音構成を豊かにするアリコート方式を採用し、響きに一層の深みと幅の広さを与えています。
【GX専用ハンマー】
ピアニストに無限の表現領域を提供するため、KAWAIはGX専用ハンマーを搭載しました。ハンマーは弦を直接叩くパーツで、ハンマーウッドという木製の 軸と、これを包むように巻かれたハンマーフェルトから成ります。打弦による弦振動で音を出し「音色」「音量」「音のバランス」を決定づける重要な部位で す。ハンマーウッドには音響特性に優れた木材を使い、ハンマーフェルトにはオーストラリア産またはニュージーランド産の極上の羊毛を圧縮した、毛足の長い 良質なフェルトを採用しています。フェルトに求めたのは、表面の柔らかさと、内部の硬い締まり。弱いタッチでは表面の柔らかい部分でソフトな音を、強いタッチでは内部の硬い部分で迫力のある音を生み出します。さらに、すべての鍵盤のハンマーにアンダーフェルトを入れて弾力性を向上。熟練した整音技術者の高度な要求に応えることができ、音の完成度が向上しています。ピアニシモからフォルテシモまでの音色変化の幅も広く、一段と豊かな音楽表現が可能になりました。
【格調高い外観デザイン】
外観デザインには、腕木や譜面台に緩やかで優美な曲線を採り入れ、グランドピアノ然としたトラディショナルな中にも独自のフォルムを確立。ボディー剛性向 上のために拡大された重厚な前框は、外観上の大きな特徴にもなっています。そしてKAWAI が磨き続けてきた独自の塗装方法による、深みと光沢のある黒がボディーを美しく染め上げます。大屋根を開くと GX の美しさはさらに輝きを増します。深みのある落ち着いた黄金色のフレーム、KAWAIクラフトマンの手によって作られたことを証明するフレームマーク、赤みのある木のぬくもりが彩る側板内側、艶やかさの中に引き締まった印象を与える 黒色のフェルト。「THE GRAND(ザ・グランド)」という精神を体現したデザインがここにあります。
【ソフトフォール鍵盤蓋】
鍵盤蓋を閉じる時、誤って手を離しても蓋がゆっくりと自然に閉じる、カワイ独自のソフトフォールシステム機構を採用しました。鍵盤蓋が開いた状態からゆっくりと閉じはじめて、完全に閉じるまでしばらく時間がかかるため、お子様が不用意に鍵盤蓋に触れても手を挟む心配がなく安全です。
グランドピアノ:KAWAI GX7
製造場所
静岡県磐田市飛平松252